地元にいながら、意外と行ったことのない場所がある。
今回訪ねたのは、平飼いの美味しい卵に定評のある舩岡養鶏場。
山に囲まれた、いかにも西谷らしいのどかな場所だ。
近づいても養鶏場特有の強い臭いはほとんど感じない。
風に乗ってくるのは、土や藁の自然の匂い。
そして——鶏たちが生きている音だ。
山に囲まれた、命のぬくもり
鶏舎をのぞかせてもらうと、驚かされた。
鶏たちは部屋の中を自由に行き来し、思い思いに過ごしている。
羽もつやつやして元気そうだ。
人を見て、クー、クー、と鳴きながら寄ってくる。
表情はみんな穏やかで、とても可愛らしい顔をしている。
平飼いとはいっても、鶏の数が多すぎると鶏舎が狭く感じられ、鶏にストレスを与えてしまう。
そのため飼育羽数は常に1,500〜1,800羽ほどになるよう管理されているそうだ。
一羽ひとわに、ゆとりある空間で育てられている。
「健康な鶏からしか、美味しい卵は産まれない」
舩岡養鶏場を守るのは、西谷で生まれ育った舩岡京子さん。
お父様が一代で築き上げた養鶏場を引き継ぎ、今はスタッフの方と共に毎朝6時から卵を集め、洗浄して出荷する仕事を続けている。
「餌と水には特にこだわっています。健康な鶏からしか、美味しい卵は産まれませんから」
そう語る舩岡さんの目は、鶏たちを見つめるとき、やさしくなる。
日々の丹精込めた世話が、あの黄身の豊かな旨味を生み出しているのだろう。

「この子たちは家族みたいなものなんです」
「本当に可愛いでしょう? 可愛い可愛い、と我が子のように育てているんですよ」
舩岡さんは、鶏たちのことを話すとき、自然と顔がほころぶ。
その表情がすべてを物語っている。
取材中、鶏たちが急にざわつき始めた。
何かに驚いたのか、鳴き声も大きくなる。
すると舩岡さんが落ち着いた声で「大丈夫よー」と呼びかけた。
すると本当に、少しずつ静かになっていく。
まるで言葉をちゃんと理解しているかのようだった。
愛情いっぱいで育てられてきたからこそ、この関係がある。


初めて味わった、本物の卵
養鶏場のすぐそば、西谷夢市場の直売所で卵を購入させてもらった。
家に帰ってまずはやっぱり卵かけご飯に。
殻がしっかり硬くて、ずっしり重い。
割った瞬間、黄身はぷっくり盛り上がり、白身は澄み切ってしっかりしている。
そして何より驚いたのは、まったく臭みがないこと。
生卵特有の匂いがなく、黄身は旨味に溢れ、白身まで甘味を感じた。
「味には絶対の自信があります」
舩岡さんは微笑みながらそうおっしゃっていたが、実際に食べてみると、その言葉にうなずくしかなかった。
同じ西谷に、こんな丁寧な仕事をしている場所がある。
生産者さんの顔の見える卵を買える環境の、何と豊かなことか。

この西谷たまごで、みんなでプリンを作ろう!
そんな舩岡養鶏場の新鮮な西谷たまごを使って、子どもたちがプリンを手作りするイベントが今年6月に開催されます!
西谷で生まれた新鮮な卵と牛乳を使って、自分たちで作るプリン。
自分の手で作ったプリンは、きっとどんなプリンよりも特別な味がするはずです。
里山の恵みをまるごと体で感じられる特別な一日を、ぜひ子どもたちに体験させてあげてください。
里山 time trip
こどもスイーツ工房 〜西谷たまごでプリンを作ろう〜
- 日時:2026年6月27日(土)9:00〜15:30
- 場所:西谷自然の家
- 対象:小学1〜6年生
- 定員:20〜40名(先着順)
- 料金:5,000円
遠出をしなくても、身近なところにこんな丁寧な仕事をしている場所がある。
愛情いっぱいで育てられた卵は、毎日の食卓を少し特別なものにしてくれる。
そしてその卵が、子どもたちの笑顔と西谷という地域との新しいつながりを紡いでいく。

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