チューリップ探偵団 〜西谷に舞い散る謎と笑顔〜 #5-4

恥ずかしさで顔から火が出そうなひかるを、住民たちは温かい笑顔で迎えてくれた。

「いやいや、推理力はなかなかのものでしたよ」と田辺さんが慰めるように言う。

「でも、どうして山田さんのお誕生日に?」ひかるは首をかしげた。

佐藤さんが振り返ると、少し離れたところで杖をついた小柄な女性が、チューリップを見つめて微笑んでいる。

「山田のおばあちゃんはね、もう八十五歳なんです。若い頃からずっと、この西谷でお花を育てることが生きがいでした」

健太が説明してくれる。山田おばあちゃんは足腰が弱くなり、大好きなガーデニングができなくなってしまった。そこで住民たちが密かに計画を立てたのだという。

「みんなでチューリップ畑を作って、プレゼントしようって」

「それで孫の太郎君が、おばあちゃんが大切に育てていた球根を掘り起こして、畑に移植してくれたんです」田辺さんが付け加えた。

なるほど、だから球根が「消えた」のか。ひかるは納得した。

その時、山田おばあちゃんがゆっくりと歩いてきた。

「ひかるちゃん、ありがとうね。あんたが一生懸命調べてくれてるって聞いて、申し訳なくて」

「いえいえ、とんでもありません!」ひかるは慌てて頭を下げる。

「でも困ったことになったのよ」おばあちゃんの表情が曇った。「太郎が風邪で寝込んじゃって、明日の準備ができないの」

住民たちの顔にも不安が浮かんだ。誕生日まであと一日。果たして間に合うのだろうか。

ひかるの心に、ある決意が芽生えた。