西谷情報

人と人がつながって、未来を耕す。西谷 de 農のある暮らしプロジェクト始動

宝塚市北部、緑豊かな西谷地区に、小さくも力強い変化が起きている。

少子高齢化が続く西谷では不耕作地が増えている。ここ数年手つかずとなっている一枚の畑があった。
そこに今、人の手と思いが集まり始めた。

その名も「西谷 de 農のある暮らしプロジェクト」。
西谷まちづくり協議会 地域活性化部会が2026年度に立ち上げた、この地域の未来をひらく実験的な取り組みだ。

こどもの自然体験が、畑への扉を開いた

きっかけは、こどもたちの笑顔だった。

地域活性化部会では、宝塚自然の家と連携し「里山 time trip」というこども向けの自然体験プログラムを展開してきた。
一日一回きりの体験だけではなく、一つの畑や田んぼを舞台に、一年間で何度も西谷に訪れられるプログラムを企画したいと考えていた。

そこで地域の方々に声をかけ、使わせてもらえる畑がないか探してみることに。
すると1件、2〜3年手つかずの畑が見つかった。

夢プラザから坂を上ったところに広がる、その土地。
活性化部会の想いに共感していただき、まずは2年間お借りする形でご協力いただけることになった。


荒れ地との向き合い方

しかし、現実は思ったより手強かった。

草だらけ、ビニールやマルチが土に埋もれた状態。
「いきなりここでお子さんを連れてきて何か一緒にやるのは、さすがに難しすぎる」という判断になった。

であれば、まず自分たちが学ぶことから始めよう。
2026年度は「こども向けイベント」の年ではなく、「私たち自身が勉強する年」と位置付けた。

耕作放棄地を再生するのはどのくらい大変なのか。どんなことに気をつけなければならないのか。どの時期に何をするのか。
実際に手を動かしながら、ゼロから学ぶプロジェクトが「西谷 de 農のある暮らしプロジェクト」だ。


心強い仲間との出会い

プロジェクトを前に進めるうえで、心強い存在と出会った。

大阪や日本海沿いで耕作放棄地の再生や有機農業に取り組む冨田さん。
農業体験の場をつくり、宝塚市の行政とも連携しながら、多くの人が農に関わる機会を広げてきた方だ。

出会いのきっかけは、オーガニックな食材を使ったお惣菜店「そらまめ」の店主でもあり、西谷でも里山食堂(現在はお休み中)や宝塚里山こども村づくりにも携わっている西山さんの紹介だった。
宝塚南部で有機農業や農業体験に関心を持つ人たちのつながりの中に、冨田さんがいた。

「地域と連携してやるなら一緒にできるかもしれない」と快く協力を引き受けてくれた冨田さん。
今は冨田さんや西山さん、地域の方々を巻き込みながら開墾を進めている。

「できるだけ有機農業の形で取り組みたい」という思いが、冨田さんとの会話の中でも自然に共有されている。
農薬に頼らず土の力を活かす農業のあり方を、この畑から少しずつ探っていく。


いま、畑はどうなっている?

— 約1.5ヶ月前(2026年3月頃)

枯草と葦が一面を覆い、農地だったことすら見えなくなっていた。
埋もれたビニールやマルチ、朽ちかけた柵。数年の放棄がそのまま刻まれている。

金色の枯草と葦に覆われた西谷の耕作放棄地

まず草刈りから始めた。
刈っても刈っても出てくる草。ようやく土地の輪郭が見えてきた。

— 4月末

草を刈り、土を起こし、少しずつ畑の形にしていく。
一つひとつの作業が積み重なり、土の姿が見えてきた。

今年は土壌と向き合う年に。
緑肥をまいて、土壌の状態をみながら、畑の姿をこつこつつくっていく。

耕運機で土を起こす作業と草刈り作業の様子

この土地が問いかけること

「ただ畑をきれいにするだけじゃない」。
プロジェクトの根っこには、もっと大きな問いかけがある。

西谷では、高齢化が進む中で農業を担う人が少なくなっている。
長年丁寧に耕してきた畑が、継ぐ人がいないまま草むらに戻っていく。
この土地もそのひとつだ。

人の手が入り続けることで、土は生き物を育てる力を保ち続ける。
耕作放棄地の問題は、農業の話であると同時に、土壌を守ること、食を守ること、そしてこの地域の環境そのものを守ることでもある。

野菜は、自分で育ててみて初めてわかることがある。
土と向き合い、種を蒔き、雨と太陽を待つ時間の中で、食べることの意味がじわりと変わる。
そういう体験を、もっと多くの人に届けたい。

一方で、農業体験をしたい・自分で野菜を育ててみたいという人は、南部の市街地にも少なからずいる。
その「持て余している土地」と「使いたい人」をうまくつなぐ仕組みをつくれないか。

「土地を貸しても安心、ちゃんと使ってもらえるというフォーマットが地域として作れたら、もっと多くの方にも使いやすくなる。西谷に興味を持ってもらえる人も増えていく」

今は小さな実験。でもその先には、西谷が「農業体験のできるまち」として多くの人に愛される未来が描かれている。

このプロジェクトに関わってくださっている方々には、それぞれ様々な思いがある。
定期的な活動報告と合わせて、関わる人たちの声もお届けしていきたいと考えている。


一緒に、畑を耕しませんか?

今年度の取り組みは、まだ手探り。プログラムも役割分担も、すべて試行錯誤しながら進んでいる。

一緒に西谷で畑を始めてみませんか。
こんな方を歓迎しています。

  • 市民農園が増えて、自分でも農業できる場所ができたらうれしいと思っている方
  • 西谷でこういう前向きな取り組みをしている人たちをちょっと応援したい方
  • 土日に自然の中で体を動かす体験ができたらいいな、と思っている方

一緒に作業ができる日は前もって発信していくので、ぜひ一緒に活動しませんか。

ご連絡はFacebookやEnjoy西谷のサイトからどうぞ。
「今どんな状況かな」と気にかけてもらえるだけでも、励みになります。

西谷の土を、一緒に耕しましょう。

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